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2022年3月1日火曜日

施設の中でも春を感じられます。

 音楽療法士の西です。

三月に入りました。ここ数日間で日中の暖かさから春を体感できるようになりました。その分、花粉症の方はお辛いのでしょうね(;´Д`)

高齢者施設での生活において、季節を感じることは認知症の程度によって非常に難しいです。西は会話の中でなるべく、「三月に入りましたね」「今日は、外とても暖かいんですよ」とお伝えしています。西の話しを聞いて「そうなの~もう三月なの~(*^。^*)」とにこやかに答えてくれる方もいれば、「そんな言われても分からん(゜_゜)」という反応の方もいます。その方の感性が乏しいのではありません。私たちが普通に生活をしていて外に出て感じて体感できる機会を、入居されている方達が体感できる機会に乏しいのです。

そんな時、やっぱり音楽療法です。
歌うことは季節を感じられ見当識がぐっと高められる機会でもあるのですから。

先日、とある現場でのお話です。
Uさんは、日中の半分はお部屋で過ごされている方ですが、月に1、2回は個別音楽療法に参加されています。
西:「今日で2月終わりますよ。でもまだ寒くて」
Uさん:「そうなの?早いね。・・ここにいると外に出ないから、よく分からないのよね」
西:「そうですよね、わかりにくいですよね」

たいてい、このような会話から始まるのがお決まりのパターン。「外に出ないから」と話す時は、少し寂しそうな表情もたまに見られます。

西:「じゃあ、今日の歌なんですけど、明日から3月じゃないですか。3月に入ったらすぐイベントありますよね?何まつりでしたっけ?」
Uさん:「・・・・ひなまつり」
西:「お、正解!ひなまつりの歌ありますよね。歌ってみましょうか」
とピアノで伴奏を弾くとUさんは小さーい声で歌ってくれました。
西:「実はここの近くで梅が咲いているんですよ。なので次に湯島の白梅はどうでしょう」
Uさん:「いいね、知ってる」

と、湯島の白梅、北国の春、春よ来い、を選曲して一緒に歌いました。

西:「いやー今日も歌いましたね。なんか、春がぐっと近づいてくるような」
Uさん:「そうだね。春らしいね(^-^)」
と、終わりには微笑んでくれました。

音楽療法士で先導して春を意識する声かけをしているだけじゃないか、と言われればそうですが(笑)Uさんは開始早々には音楽療法士の季節感への共感は難しいのですが、一緒に歌うことでまず、協調性、社会性が高まります。次に春の定番の歌を選曲し続けて歌ったり演奏すると、歌詞やメロディーから伝わる季節感が春の意識を高めてくれます。

これらが最終的にはUさんの口からも「春らしいね」という音楽療法士に共感しながら季節感をそれなりに感じている言葉が出る結果となりました。

音楽療法では見当識の乏しい方に、上記のような方法で季節感を感じてもらう工夫をしています。春だけでなく夏、秋、冬と日本には四季折々に合わせて作られた定番の歌が沢山あります。施設の中にいても季節を感じられる方法に音楽は有効だな、と長年のセッションで感じています。
勿論、食事のメニューだったり写真だったり、着てもらう洋服で季節感を感じてもらうなどの他職種同士で工夫もしています。ただコロナ禍でもあるため、制限があるのも現状です。

長年の経験より、音楽からもたらされるイメージや印象は人に影響を与えます。もう少ししたら、今度は「卒業シーズンですね」と卒業にまつわる歌を選曲してみようと思います。

今日はここまで。












2022年2月15日火曜日

音楽療法に誘うタイミングとは。

 音楽療法士の西です。

2月14日はバレンタインでした。西は全くそういうの疎いので手ぶらでシャロームへ行きましたら、女性職員数名からチョコやお菓子を頂きました。西はいつもお菓子を頂いてばかりで・・・有難いやら申し訳ないやら(´▽`*)と言いつつも、貰ったら速攻で食べております(笑)シャロームには感謝チョコを毎年配ってくれる素敵女子職員がたくいさんいるのです( ̄▽ ̄)


さて、おやつに関連して今日は個別音楽療法にお誘いするタイミングについてのお話し。シャロームでは現在、個別で音楽療法を実施しています。ご利用者によって入浴時間や訪問の往診、口腔ケア等あるため、時間が被らないよう調整しながら実施をしています。逆にいえば空いている時間を見て音楽療法士で個別音楽療法のタイミングを決めることができます。

認知棟のRさんは、なかなか食事摂取が進まない一人です。認知症が進むと意欲や体力の低下に連鎖して食事を食べなくなるケースが見られます。Rさんも進めても自分から食事やオヤツにすぐに手をつけようとせず下を向いたままが多い。介助もしますが、それでも摂取が進まず低栄養気味です。とある日もおやつは半分は食べていましたが、水分がほとんど残ったままでした。Rさんはおやつを食べる、飲むことの集中と意欲が低下している状態でもありました。水分摂取が少ないと脱水を引き起こす可能性があるため、拒否無く少しでも飲んでもらう必要があります。

こういう時、西はおやつを食べ終わるのを待つのではなく、途中でも音楽療法へお誘いしています。

西:「Rさん、おやつ残ってるけど食べないんですか?」
Rさん:「いらないよ。あなた食べたら?」
西:「このオヤツねー実は私さっき食べたんですよー2個も。だからお腹いっぱいなんです。美味しかったですよー。」
Rさん:「あら、そうなのー」

・・・まあ、ちょっとした嘘(おやつが美味しいのはホント)も時には必要( ̄▽ ̄)高齢者の現場ではオヤツや食事の時間になると自分はいらないからと、他の人にあげようとする場面よくあります。西はそういう時は既に食べましたと伝え回避しています。

西:「じゃ、そしたらRさん。おやつは後にして音楽いきませんか?気分転換になりますよ」
Rさん:「そーだねー音楽か・・行きます。」
西:「よしきた。」
と、お誘いして15分ほどの音楽療法をします。Rさんはもともと音楽が好きで、歌に合わせて手拍子したり童謡や唱歌を綺麗な音程で歌ってくれます。和太鼓もバチを持って上手に叩く事ができるんです。自席で下を向いている時よりも、音楽療法では目を大きくして表情明るい様子が見られます。この日も雪やたき火を歌いました。Rさんは「楽しいです」と感想を言ってくれました。

終了後、自席に戻ると・・・

西:「Rさんお疲れ様でした。歌ったから喉乾いたでしょうー。ここに、ちょうど飲み物ありますよ。良かったら飲んでください。私も喉乾いちゃったから今から飲みに行きますね」
Rさん:「はーい。わー、いただきまーす(´▽`*)」
と、そのあとしばらくRさんはコップを手に持っていました。

夕方、記録をしている時にその日のフロア担当の職員が話してくれました。
職員:「Rさん、あの後おやつ全部食べてましたよ。水分も自分で飲んでた」
西:「そっかーおやつはね、まあ食べてたんだけど水分全然飲んでなかったからさ。良かったね」

音楽療法は生活上の課題に合わせて音楽活動を提供します。
Rさんのケースでは水分摂取が低下しないよう、自分で飲んでもらう動機付けに歌唱活動をしました。歌唱は嚥下機能を高めるだけでなく伴奏やテンポに合わせる為、集中力が引き出されます。自発的に手拍子をするRさんからは意欲も一時的に向上しました。その結果、Rさんは音楽療法で高まった集中と意欲と、また喉も乾く生理的要因も含めて自分でおやつの水分を飲んでくれました。

こういった食事や水分摂取を促すケースは過去も含め西の音楽療法事例としては多いです。音楽療法に参加するとご利用者の気分も良くなっていることも多い。だから「食べましょう」の声かけにスムーズに口が開いたり手を動かしてくれる確率が高いのですよ。外部から来る音楽療法士だったら好きに誘うタイミングは作れませんが、シャロームではご利用者の日常生活場面で良い動機付けになるタイミングで実施しているのです。

自分がおばあちゃんになったら食事への意欲や興味もいずれは無くなるのでしょうか・・・。おやつなら速攻で手が出る現状からすると、いずれは他の人のおやつ食べちゃったりして(笑)

今日はここまで。






2022年1月19日水曜日

喋るってやっぱ楽しい!

 音楽療法士の西です。

今日訪問した、とあるグループホームでのお話し。
こちらの現場は年が明けて最初の音楽療法でした。発言の多いご利用者もいる為、まずは音楽療法士で干支の寅年を話題にしてから、一人ずつ干支を聞いてみました。

Iさん:「羊」 
Uさん:「かわいいわね」
西:「Tさんの干支はなんですか?」
Tさん:「うさぎなのよー」
西:「かわいい系が続きますね。Rさんは?」
Rさん:「えーとね、丑年なんだけど寅みたいな丑かな」
皆:「はははー!(笑)」
西:(どーゆーこと!?形が?(;一_一))
  「えーと、
寅みたいな丑なんですね??」

たまに珍回答あり。どうやら一年の終わりあたりが誕生日らしく、寅年寄りのギリギリ丑年というニュアンスで伝えたかったようです。でも、こういうちょっとした珍回答が場を和ませてくれるんですよね(*^▽^*)

また、【今年、どんな一年にしたいですか?】と質問もしてみました。
Oさん:「あーやっぱ健康かなあ」
西:「あー健康大事ですよねえ~(´▽`*)」←去年、肺炎経験者。
Uさん:「やっぱり健康第一ですね。健康だから楽しいこともしたいって思えるし」
西:「あーホントそうですよね~(´▽`*)」←去年、入院と自宅療養で安静対応経験者。

皆さん、やはり健康を一番に答える方が多かったです。Uさんのおっしゃる通り、健康だからこそ、楽しいことを見たり聞いたり体験できるのですよね。去年の西からすると身に染みる言葉でした・・。

その中でこんなお話しも。
Fさん:「自分で何でもできるようになりたい」「自分で歩けるようになりたい」
       介護職員拍手 (∩´∀`)∩ )

Fさん、大正生まれの方なんです。いや、ほんと頭が下がります。言葉を発している雰囲気からして決して悲観さは感じませんでした。
自分の事は自分で、それが自分らしく生活できること、それを今年一年意識していきたい、という事なのかな、と感じ取りました。ポジティブ精神が伝わり、西も刺激を受けました。

音楽療法では歌う事も大事にしているのはもちろんですが、西の音楽療法では一人一人から発せられる言葉も大切にしています。言葉も一つの音として捉えることもできます。
Fさんのように喋る言葉の高低差や音量、明るさや暗さなども含め言葉から得られるポジティブさや意欲など感情面も受け取ることもできます。

でも、参加者全員が良いことを言うとは限りません。質問に対して「分からない」と言われる事も本当に多いのが介護の現場です。

今日もGさんは「・・分からないです」と返事が返ってきました。
でも、まずは言葉で返してくれるている事実を大切に。音楽療法士でラリーが出来る声かけをすればいいんです。

西:「急に言われても分からないですよね。じゃあ、この一年、健康でいたいですか?」
Gさん:「・・・ハイ」
西:「楽しい一年にしたいですか?」
Gさん:「ハイ」
西:(お、しっかりした返事になった)「じゃあ、健康で楽しい一年にしたいってことですね。立派なことじゃないですか!応援します」

西ならこんな感じで言葉のラリー続けます。Gさんみたいに繰り返す中でちょっとした変化が見られることもありますし。

何気ない会話にも沢山の発見と刺激があるものだという事に数年かけて気付きました。介護の現場で喋る事も楽しさの一つとなりました。

今日はここまで。








2021年12月16日木曜日

回想法っていいな。

音楽療法士の西です。

さて、今日は回想法的音楽療法のお話です。

回想法とは・・・話し手が過去の思いでを想いだして語り、話の聞き手との交流を通じて人生を振り返る。その支援をすることで話し手の心の安定や周囲の様々な人との質の高い交流を目指す援助の方法である。(大西・鈴木 2020)

とあります。コロナ禍に入ってからですが、音楽療法の中で歌唱から昔の思い出や体験を話してもらう時間を作るようにしています。感染症対策で歌唱が多くならないように配慮する為でもあるのですが、外部刺激の少ない単調になりやすい生活の中でそれなりに話題にしやすい内容が個人個人の過去の出来事や記憶です。過去の記憶を思い出そうとして懐かしみ、また話を聞いてもらうことで自分の存在価値の証明と共有ができる活動なのでアクティビティにとどまらず、心理ケアに適しています。

じつは音楽療法で懐かしい歌を歌うことも、広ーい範囲で回想法の要素を持っています。【音楽回想法】という分野もあるほど、歌う事というのは物や映像と同じように過去の記憶につなげやすいのですね。


そして西の音楽療法でも過去について話題にする為に「歌」を使います。先日の実際の音楽療法での様子です。

西:今日は『たきび』を歌いましょう♪

~♬♬♬みんなで歌唱中♬♬♬

西:たき火でした。歌って頂いてありがとうございます。ここで皆さんに聞きたいのですが昔、たき火とかしたことあります?

(数人手を挙げる)

西:Rさん、手挙げてくれてますね。

Rさん:たき火でしょ、やったことあるわよ。

西:そうなんですねー。落葉とか集めて?

Rさん:そう、家の庭で。

西:あー自分の庭でたき火したんですね。ありがとうございます。他には・・Tさんも手挙げてましたね?

Tさん:うん、普通にね。焼き芋とか作ったよね。

Uさん:焼き芋いいね。

西:わー外で食べる焼き芋美味しそう~。食べたくなっちゃいます(´▽`*)私も、子どもの頃にどんど焼きという、お正月の飾りとか焼く集まりが町内会であって、それもたきびの一つですかね?

Rさん:あーどんど焼きね。

西:そう、団子とか焼いて食べた記憶があります。昔は大きい広場とかでたき火普通にあったんですよね。

Tさん:今ってたき火できないんでしょ?

西:そうなんです、よく知ってますね。勝手に火焚いちゃうと消防車来ちゃうんですよね。申請しないとね、ダメみたいです。そこは昔とは変わりましたね。

Iさん:えーそうなの?知らなかった。

西:それだけ、都心周辺は家が密集して建っているんですよね。自分の庭でたき火できるお家は農家さんとか地方に行かないと今は難しいかもしれないですね。

Iさん:へー。


このように昔の体験したことを個別に聞き、当時の事を話してもらい懐かしさや良かった事を皆で共有します。ここでは焼き芋ネタで数名にほっこり笑顔見られました。

次に今のたき火は申請が必要というように、昔と現在とで変わった事があれば、それもなるべく話題に入れるようにしています。時代は変わっている中で【生きている今】を少しでも実感してもらう為です。他にもこれまで、冬の時期であれば囲炉裏やしもやけ、あかぎれ、雪、編み物等、歌詞の中から話題を出して回想法的な関わりをしています。

また先に歌うことで声を出す準備もできます。どの現場でも答えがスムーズに返ってきて話を進めやすいのも良い点だと思います。

改めて歌の世界観と昔当時を思い出してリンクできると、ご利用者はほっこりした気持ちになりやすいのを西も現場で感じています。より専門的な回想法なら、その効果はもっと広く深く見いだせるのでしょう。回想法って良いです❗これからも西なりの回想法的音楽療法プログラムを続けていきます。

今日はここまで。


参考文献:認知症高齢者における回想法の効果に関する文献研究(筑波大学看護学部 大西・鈴木 2020)















2021年12月2日木曜日

やり場のない気持ちを抱えている時こそ音楽療法。

 音楽療法士の西です。

認知症型デイサービスでの音楽療法が再開しました🎵西も久しぶりだったので少し緊張しましたが、介護職員も「おかえりー」と笑って迎えてくれました。

ここでは集団音楽療法から今年に入って個別音楽療法へ切り替えて実施しています。一つにコロナの感染対策がありますが、もう一つ個別で関わる大きな理由があります。それは一人一人の音楽での楽しみ方と気分の発散の仕方が全く異なる為、柔軟に個別に合わせて関わりをしていく為です。

現在、ある方とはボール活動中心で気分の発散を図ったり、ある方とはピアノと歌のみのセッションで、またある方とは太鼓活動で軽快なリズム活動をしています。認知症のレベルや服薬状況、朝のテンションと精神状態も毎週違う方もいます。その背景には、それぞれのご家庭での過ごし方や家族との関係性、介護・医療での方針も様々なご利用者が集まっているデイサービスだからです。

ご利用者はご家庭で感じている喜びや不安、緊張など様々な気分や行き場のない気持ちを抱えてデイサービスに来られます。その抱えている気持ちを音楽療法でどう共有し、必要に応じて発散したり意識を良い方へ向くのか、という心理面のケアの必要性を感じていました。そうすると、集団音楽療法での同じ楽器活動中に全く反応の異なる方が同じ方向性でその場を共有していくのは、厳しいと感じたのです。

個別音楽療法に変えてからセッション中、家での様子を細かく話してくれるようになったり、集団の時には聞かれなかった自分の本当の歌の好みや好きなテンポ感、興味関心の高い一曲の発見など、個別の関わりならでは良さが見られるようになりました。

この関わりが、またデイサービスへの利用継続に繋がるなら、これも音楽療法の大事な役割の一つだといえます。

デイサービスでの集団活動もコロナの状況に合わせて展開していけたらよいとは思うのですが、しばらくはこのまま、深い視点を持ちながら続けたいと思います。

今日はここまで。


2021年10月13日水曜日

耳の遠い方との音楽療法での関わり方 Vo.2

音楽療法士の西です。

耳の遠い方との音楽療法について第一回目ではカンペを使用し、視覚からのアプロ―チをしていく方法を紹介しました。
今回は第二回目です。楽器活動での触覚からのアプローチ方法をご紹介しましょう♪

➁色物の楽器やボールを入れた活動をプログラムに入れる。
耳の遠い方の中には歌や特に言葉の説明の時間が多いと、聞こえにくい分集中が低下しやすい傾向が見られます。途中から傾眠されてしまうこともあります。

そこで色のついた楽器、例えば鳴子やミュージックベル、レインボースティックなど簡単に握れて音が出る物を使用し合奏をします。カンペを使わずとも楽器を手渡し、目の前で音を出せば音楽療法士の真似をして楽器を鳴らしてくれる方が比較的多いです。もし、何をすればよいのかポカンとしていたり「鳴らすの?」と聞かれれば、またカンペやボードに「鳴らしてみましょう」「振りましょう」とその場で書いて指示を出します。
周囲が打ち始めれば集団心理が働き真似して取組み始める方もいます。

ボールを使った体操も同様です。ボールが手に触れると落とされる方もいますが、それはそれでボールへの意識が向き、しっかりとボールを持ってくれます。その次に上にポーンポーンと投げて一人キャッチボールをすると声掛けしなくても大抵すぐ真似してくれます。
そうして自然と音楽体操につなげると、細かい言葉の説明がなくとも音楽療法士を見ながら取り組んでもらえる確立が高いのです。

いかがでしたか?西は昔は耳の遠いご利用者の耳元で大きな声で活動の指示を逐一説明をしていました。これ、結構労力いるんですよね。時間の効率もあまり良くなかったりします。
でも現在は工夫次第で耳の遠い方も楽しめる方法を活用しながら、どの現場でも円滑に活動を進めたりコミュニケーションをして楽しい時間を作れています。

今日はここまで。

気温差の激しい時期です。西はどうやら寒暖差アレルギーがあるらしいです(´;ω;`)
皆様ご自愛ください。







2021年10月6日水曜日

耳の遠い方との音楽療法での関わり方

 音楽療法士の西です。

西は法人が運営している施設を曜日ごとに回って音楽療法を行っているのですが、どの現場にも必ず耳の遠い方がいらっしゃいます。年を重ねていくと体の機能が徐々に変わっていくことは自然なことで、難聴傾向になっていくのもまた然りなのです。

西が新人の頃は難聴の方とのコミュニケーションや音楽療法最中の関わりに本当に苦労しました。こちらの言いたいことや活動の指示がうまく伝わらずに相手を困らせてしまったり、 「もういいよ!(-_-メ)」と怒らせてしまったことも数知れず。

じゃあ、やっぱり耳が聞こえないから音楽活動はできないのか?というと、10年以上の経験を重ねてきた西からの答えはNO!です。

できます!耳が全く聞こえてなくても音楽活動はできます!

今回は普段から行っている難聴の方との音楽療法での工夫を紹介しましょう♪


①カンペを使う。
活動の指示や声掛けは視覚からでもできます。ある程度の文字を読めるレベルの方や集団の活動での使用がメインとなりますが、耳元で個別に伝えるよりカンペを出すことで指示を伝える効率性もあがりますし、意識を音楽療法士へ向かせることもできます。
指示する内容や声掛けでよく使うフレーズをいくつかに絞り、それを太文字で印刷しA3サイズのファイルに自作して使うのです。

とあるグループホームでは9名中3名の難聴の方が参加しています。補聴器を使用されている方もいますが、耳元でだいぶ大声でゆっくり話しても「聞こえない」と言われてしまうことが多いです。コミュニケーションを図ろうとしても「聞こえない」「分からない」と手を横に振って関わりがすぐに終わってしまいがちでした。そこで、3人隣で座って頂き、カンペを使い始めてから一人は読んだ後に頷いてくれるようになり、一人は声に出してカンペを読むようになりました。活動への参加意欲が格段と上がったと感じています。大声を出して指示出しができない今のコロナ禍にも役立つと思います。

二つ目はまた次回にご紹介します。
今日はここまで。







2021年9月24日金曜日

中秋の名月にまつわる音楽療法の実践例

 音楽療法士の西です。

先日9月21日は中秋の名月でしたね。西も自宅の窓から光り輝く満月🌕を見ることができました。秋をより一層感じられた時間でした(*‘∀‘)


さて、西は毎年この中秋の名月の時期が近くなると、どの現場でも『月』をテーマにした音楽療法を実施しています。今回はその実践例を紹介しましょう。

日本は昔から月を眺めては、そこからインスピレーションを受けて詩や歌、絵など創作につなげてきました。だからこそ、『月』のつく曲も多いのですね。


実際のプログラム

①イントロクイズで脳トレと歌唱。

西:「今から弾く曲は曲名に必ず『月』が入ります。何の曲か分かったら手を挙げて教えてくださいね」

     ♬♬♬~演奏中~♬♬♬

西:「はい、わかった人?」
Eさん:「はい、雨降りお月だ(^^)/」 
西:「正解です」

西:「次はこれです」  

     ♬♬♬~演奏中~♬♬♬

Uさん:「・・まーるいまーるい(中略)月だ」
西:「これはそのままですね」
Uさん:「月」
西:「正解です」

というように曲名を答えてくれる方もいれば、曲名はすぐ分からないけれど歌って答えようとしてくれる方もいます。

他にもイントロクイズで使用した『月』のつく曲名を以下に挙げます。
・月の砂漠
・十五夜お月さん
・朧月夜 

など、童謡や唱歌から選曲すると多くの世代で聞き馴染みがあり、答えが出やすいですし、自発的に歌ってくれる方も多いです。


➁鳴子合奏には炭坑節で盛り上がること間違いなし。

炭坑節は年中使っている曲の一つですが、月がテーマの時にはほぼ毎日演奏しています。

西:「さあー次は合奏ですよ。月が出てくる音頭はこれでしょう!」と和太鼓でリズムを刻めば、大抵の方は鳴子を打ち始めてくれます。「つきがー」と歌いながら演奏してくれる方も多いです。


③鑑賞には『月』が出てくるあの名曲で。

フルートか大正琴で鑑賞をするときに、よく演奏する一曲があります。

「荒城の・・」とまでいえばお分かりでしょう。音楽療法に参加される方も「月!」と答えてくれます。一番歌詞の「春高楼の・・」が歌い出しだとすぐにピンとくるのですが、中秋の名月がテーマの時はあえて一番ではなく二番の「秋陣営の・・」の歌詞を提示しています。 しっとりとクールダウンにもなるので終盤に使用することが多いです。


いかがでしたか?
時に何か一つテーマや縛りを決めて選曲したりプログラムを構成する回があると、音楽療法がマンネリ化にならずに楽しい活動になります。

今日はここまで。















2021年7月15日木曜日

わたし待つわ。

 音楽療法士の西です。

以前のブログで音楽療法は介護現場ではよく使う「待っててください」は使わず「待つんです」と書きました。(6月16日参照)


特養でのとある音楽療法のお話。
ご利用者のTさんは居室で寝る事が大好きで居室に閉じこもりになりがちで若い年齢ながら意欲や自発性の低下が懸念されている一人です。すぐに居室に連れていかずにフロアで過ごしてもらうのですが、じっとされている時間が長い為、月に2回ほど個別音楽療法に参加されています。
Tさんは音楽を聴く事が好きです🎵はじめは手を横に振って参加拒否が多かったのですが、今は「ピアノ聴きに行きませんか?」と声かけすると頷いて参加してくれるようになりました。

ただ、音楽療法士で選曲した演奏を聴くのみだと受け身な活動になってしまうので、なるべく二曲目からは歌集からTさんに演奏曲を選んでもらっています。

西:「今日も歌集から一曲、今日聴きたい曲を選んでみましょう」

Tさん「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

返事はないものの歌集の1ページ1ページをめくり、じっと見ながら選んでいます。歌集には30曲ほど入っているのですぐには決めるのも難しいのかもしれません。


Tさん「・・・・・・・・」5分経過。

西:(めくり続けてはいるから、もう少し待つか。(゜_゜)のんびりとね。)


西:「・・・・」(゜_゜)

Tさん「・・・・・・・・」


西:「・・・・」(゜_゜)

Tさん「・・・・・・・・」10分経過。


西:(ん~歌集めくり始めて3周目かあ・・そろそろ決めませんか!?(;´Д`)前回はもっと早く曲決めていたけどなあ・・・今日は時間がかかる日なのか?そろそろ2択に絞るか?西がせっかちなだけか!?)

と相手の様子を見て心の中で自問自答しながら【待つ】んです。音楽療法の現場では度々こういう音楽が響かない時間もあるのです。

Tさんは日によっては自分ですぐに決められることもあるため早々に音楽療法士で声をかけてしまうと、自分で選ぶことの機会が減ってしまいます。自分で選ぶことが少なくなると、どうしても意欲、積極性、自発性は低下していきます。音楽療法は時にはじっと待ち、ご利用者に反応が出るか、出ないと判断しても次に緩和した方法(選択肢が多ければ2択にするなど)を提案するなど、個々に合わせて時間をかけて関わっていく事を大切にしています。

この日は12分ほど経過した後に音楽療法士で2択に絞り提案すると「どちらでも良い」との返事でした。この日は集中力も低めだったのかもしれません。このような時、Tさんは演奏後大きく拍手をしない傾向にあります。逆を言うと自分で選曲した演奏では、演奏が終わる直前に手を構えて拍手する準備をしていたりするんです。それだけ、演奏への意識も感じ方も違うのでしょう。

今後もTさんには自分で選んだ曲の演奏を楽しむ事、選曲するという能動的活動を通して居室以外での時間が有意義になるよう関わっていきたいと思います。


関東梅雨明けしましたね。いよいよ夏本番🍉です。














2021年6月4日金曜日

音楽療法実践レポートなり。

 こんにちは。音楽療法士の西です。 


高齢者現場あるあるのお話。

天気が不安定な日はご利用者の中に眠気が強かったり気持ちが沈む、という方がどの現場にも数名はいらっしゃいます。

今日の午前中訪問したデイサービスでの音楽療法も、少しどんよりした空気と眠気漂う雰囲気の中始まりました。


「皆さんおはようございます!」と挨拶すると5人中1人「おはようございます」と声を出してくれました。

一人返事あるだけでもまだ、さい先良い方です。時には誰も返事なく、さっき起こしたのにもう皆寝てるんかーい!?(; ・`д・´)なんてこともざらにあります。


そんな時、西は雨だからこそ雨の曲を楽しく弾くところから始めます。

今日も定番の【雨ふり】を軽快にキーボードで弾いてみると・・・


Aさん:目をパチッと開ける

Bさん:床を見てるけど指はリズム刻んでいる

Cさん:閉眼したまま途中から小さーい声で口ずむ

Dさん:じっと音楽療法士を見ている。

Eさん:リクライニング上でじっと一点を見ている。


それぞれ、個別ならではの反応が見られ始めました。こちらのデイサービスは認知症レベルも幅広く精神、身体状況も本当に様々なため、一人ひとりの反応の観察がとても大切なのです。


そこから音楽療法士で

Aさんには改めておはようございます、と挨拶します。

Bさんには手拍子を促します。

Cさんにはそのまま歌を続けるよう声掛けします。

Dさんにも手拍子してみましょうかと、音楽療法士が目の前で手拍子をしてみます。

Eさんは水分介助中なのでそのまま様子観察します。


そういった関わりの後に再度【雨ふり】を演奏すると・・

Aさん:音楽療法士を見ながら雨ふりを歌う

Bさん:音楽療法士を見ながら手拍子をする

Cさん:閉眼したままだが、より聞こえる声量で歌う

Dさん:音楽療法士を見ながら雨ふりを歌う

Eさん:リクライニング上で目を大きく開けている、おそらく音楽が聴こえている


小集団の音楽療法ではありますが、必ず全員が同じ活動を行うことよりも、個別に合った関わりと活動の提示を都度音楽療法士で入れていくことで、バラバラになりすぎず集中と一体感が生まれやすくなる音楽活動が可能となります。


どんより天気でも音楽療法は穏やかに楽しくできました♪






2021年5月26日水曜日

音楽療法実践レポート初回なり。



音楽療法士の西です。
本日の午前中、グループホーム(二カ所あるうちの一カ所)で音楽療法をしてきました!!

グループホームは月2回ずつのため、二週間以上実施が空いてしまうと訪問時には              ❝・・ん?この人誰だ・・?(゜_゜)❞的な空気が漂よい始めます(笑)


中には表情が若干緊張気味の方もいらっしゃる程です。このコロナ渦で面会もめっきり減少しているうえ、感染対策のため音楽療法士はマスクにフェイスシールドです。


しかも西は眼鏡着用のため、顔の半分も見えていないので・・そりゃ怪しいよなあ、と自覚もしつつ、ご利用者の反応も致し方ないものです。

今は慣れました。


今日もまず挨拶するも「・・おはようございます」と挨拶はまばらで声が小さい方もちらほら。西は挨拶での反応と一人一人の表情を観察し、少し警戒心もありそうだな、と感じたらまず手始めにキーボードで軽快な季節の曲を演奏するようにしています。


今日は【茶摘み】を選曲。すると、一人が伴奏に合わせて歌い始めます。それに続いてもう一人は小さく手拍子をしてくれました。

西の内心では❝おー来た来た、ちょっとずつノッてきた・・(*‘∀‘)❞と少し手応えを感じると次に伴奏をよりアップテンポにしながら音量も少し大きくすると、終盤にはその場全員が口ずさむか手拍子で音楽に参加。


西:「歌ってくれましたね、嬉しいです!改めまして、おはようございます」と挨拶すると数人に笑顔も見られながら声を出して挨拶してくれました♪

それでも声が出ない方には個別にお名前をお呼びすると答えてくれることがほとんどです。


音楽は時にほんの数分の一曲の中で雰囲気を変えてくれることがあります。そんな力を秘めているのを西はもう何度も体験してきました。

音楽療法士は曲のチョイスだけではなく、どのくらいのテンポで演奏しようか、はたまた途中で速さを変えるのか歌をつけるのかつけないのか、など状況を見極めながら細かいポイントで音楽を操作していきます。

そんな視点で進めていく音楽療法で西自身も楽しいセッションとなりました♪( ̄▽ ̄)


最初は少し警戒心にあっても最後には「また来てね~」とのお言葉も頂きましたよ。


今日の音楽療法は開始時は曇天のようでも、ちゃんと途中から晴天のように晴れやか時間となりました☀












読んで頂きありがとうございました。

  音楽療法士の西です。 シャロームの外では梅の花が満開に咲いています。 春の訪れに少しワクワクしてくるのは私だけでしょうか(´▽`*) さて、これまで50回のブログを投稿してきましたが、このブログは閉鎖することになりました。読み続けてくださった方がいましたら、本当にうれしい限り...