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2022年2月6日日曜日

音楽療法でのちょっとした面白い話し。

 音楽療法士の西です。

日中も寒い日がまだ続いていますね。西は寒いのが苦手なので、常に靴下は二重に履いています。そんな寒い時に少しほっこりする、現場でのお話しです。

特養では認知症で耳の遠い方もいて、音楽療法やそれ以外でも難聴の方と関わっています。そこで実際にあったやりとりです。

西:Oさん、歌集です。どうぞ。今日は【たきび】をやりましょうか。
Oさん:ああーたきびか。昔、やったよ。
    ・・・・かきのたね、かきのたねの・・まがりかど、、
西:(垣根ね・・それおつまみにいいやつ(。-∀-) )
Oさん:たびきだ・・たき・・びだ・・おち・・ばたきー
西:(たきびね。しかも区切る所が独特~(。-∀-) )

とてもユニークな読み方をされるOさんですが、100歳超えていらっしゃいます。今だに簡単な漢字も含めてしっかり目で追って歌詞を読んでいます。集中力も発揮されて本当にすごいです。ただ、認知もあるのでこういうお茶目な間違いは多いのですが(笑)西は心の中でツッコミを入れるのが定番となりました。


また、とある日。音楽療法ではない場面にて。

西:「Bさんお部屋到着しました・・・って寒っ(;・∀・)何もついてないよ。
   Bさん暖房入れましょう」

Bさん:「え?ばんどう??」
西:「いや、だんぼう入れますねって」
Bさん:「ああ・・・だんぼ。はいはい」
西:(一応伝わったのか?でもそのイントネーションはディズニーのやつ(笑))

・・ばんどうって。Bさんはいたって真面目に受け答えしてくれているに違いないのですが。会話の中での聞き間違いや受取り違いは高齢者現場あるあるだと思います。介護職員や相談員とご利用者との会話を目にすると、聞き間違いが楽しい笑いに包まれる時もあれば、時には会話がスムーズにいかない事に、もどかしさを感じて雰囲気がピリッとすることも。加齢に伴う難聴と認知症との兼ね合いの中で生活されているご利用者とのコミュニケーションは、援助者の受取次第で良くも悪くもなっていくもの。だから西はなるべく、ユニークと捉えながら関わるよう意識しています。そのほうが楽しいことの方が多いので。


ちなみに音楽療法でも難聴の方あるあるのほっこりエピソードがあります。

介護職員:「Iさん、先生(西の事)が2月に入りましたねって」
Iさん:「え?何?聞こえない・・(~_~;)」
介護職員:「だめだ、補聴器入れても聞えてないわ」
Iさんは補聴器を入れている方ですが、耳元で声かけしても高い確率で「聞こえない」と手を横に振ってなかなか言葉でのコミュニケーションが続かない一人です。

でも音楽療法が始まると・・・
Iさん:「ゆーきや、こんこ・・・」
西:(お、歌詞なくても周りに合わせて歌ってる)
西:「Iさん、歌ってみてどうでしたか?」

Iさん:「懐かしいです」
介護職員「そこは聞こえてるんだ(笑)」

西もこのやりとり、他のいくつかの現場で経験しています。精神状態によっても聞こえ方は変わるのかもしれないね、と現場の介護職員と話すこともあります。難聴と認知症とが複雑に絡んでいる中でも、楽しい音楽の時には難聴の方も集中力が高まって声掛けを受け取りやすく会話が続きやすい、のかもしれませんね。

どのエピソードもご利用者のユニークな一面です。これからも、現場での話しをupしていきます。

今日はここまで。














2021年10月29日金曜日

ギャップがあるから面白い音楽療法

 音楽療法の西です。

爽やかな秋晴れの朝に空を見上げると・・・

西:(天気良いなあ~こういう日は仕事もいいけどドライブとかしたいな・・・( ̄▽ ̄))と思ってしまいやすい西ですが(笑)人間、時には仕事へ行くことに少し億劫になる時もありすよね??西は音楽療法を始めたばかりの新人の時は本当に仕事から逃げたくなる事もしょっちゅうありましたが今では、そこまで落ち込むことはなくなりました。少し大人になれたのかもしれませんが、それ以上に思うことがあるんです。

西:(いやいや、今日もどんなギャップが見られるか・・音楽療法はやってみないと分からない面白さやその時の出会いがあるし・・行くか)

と、すぐに気持ちが切り替えられるようになりました。
音楽療法士の資格取得から9年以上経ち、高齢者領域の音楽療法の面白さをぐっと面白く感じられるようになってきたんです。その一つが今日のテーマ【ギャップ】、普段見られない一面についてのお話しです。


とある特養でのお話し。

99歳になるTさんはご高齢なこともあり、日中フロアにいる時はほとんど下を向いて傾眠されています。西がシャローム横浜へ来た10年前は自分でフロア内を歩いていて得意な習字や華道で腕前を披露されていた、芸術肌の方でした。

車椅子生活となり自分での移動、自操はされません。会話も自分から話すことがほとんどありません。そんなTさんと月に一回ほど個別音楽療法をしています。

西:Tさんこんにちは。音楽療法始めます。宜しくお願いします。

Tさん:・・・・・(-_-) 
ここ2年程、うつむいたままですぐに反応が見られないこともあります。

そこで歌集を開いてうつむいたままのTさんの膝上に置き、音楽療法士でピアノを弾きます。今日は秋らしく『紅葉』を選曲しました。明治の曲なので、90~100歳代の方達にもおなじみの歌です。

ゆっくりと前奏を弾くと、それまで閉眼してうつむいていたTさんが目を開けてゆっくり顔を上げて

Tさん:「あーきのゆーひーにー・・」とピアノに合わせて歌い始めました。

西:(Tさんキター!(;・∀・))と心の中でガッツポーズ(笑)

その後Tさんは歌集を見ながら最後までよく響く声で紅葉を歌ってくれました。習字をされていたので、漢字もおおよそ読めますし声量もお腹から声がだせるので廊下に響くほど歌ってくれるのです。

西:Tさん、歌ってくれましたね。よく声出てましたね!それで、この歌詞の中に囲炉裏とありますけど、Tさん囲炉裏って使ってましたか?」

Tさん:「囲炉裏?そりゃ昔の人間だもの。昔の田舎の農家は皆、囲炉裏は使ってたよ。あんた使ったことないの?」

西:「私は囲炉裏使ったことないです。子供の時からガスストーブだったので。どうやって使うんですか」

Tさん:「囲炉裏どう使うって・・・あんた知らないの?!・・はー、不思議だねぇ・・」

西:(呆れた顔してる(笑)世代違うし、、しょうがなくない!?(;'∀'))
これぞ、埋めることのできないジェネレーションギャップ。

会話をする中でTさんは時にちょっと毒舌染みた返しをされるのですが、それは覚醒が高まっている証拠です。ちゃんと集中を持って関わってくれているので、嬉しい限りです。Tさんとの個別音楽療法はフロアでの姿と違った【ギャップ】を感じられる時間の一つです。

後で、数名の介護職員とのミーティングでTさんとの音楽療法の様子を報告しました。

介護職員Eさん:「あ、俺もさっきTさん歌ってるなーってチラっと見ました。あんなにしっかり歌うの初めて見ましたよ」と教えてくれました。

毎日のように関わっている介護職員でもなかなか普段の関わりでは見られない姿を音楽療法で報告を聞いたり実際に少し見て、その【ギャップ】を感じてもらっています。それだけ、音楽療法は音楽の力が大きく心理面に作用して、普段は引き出されにくい一面を引き出してくれるのです。

これからも、認知症の方達との音楽療法で見られる【ギャップ】を楽しみながら続けていきます。

今日はここまで。


2021年6月16日水曜日

認知症あるあるのお話。

 音楽療法士の西です。


ある特養現場でのお話。

認知症フロアでは約50名ほどのご利用者が生活しています。

認知症の種類も、症状も更には一人にフォーカスしても態度や様子は日によって様々です。音楽療法で関わるご利用者もそれぞれの個性が見られます。(実際のエピソードですが、方言等分からないので少し脚色しています)


とある日。いつものように個別音楽療法をしていた女性Aさん。急に


「そろそろ帰らんと」と、車椅子から立ち上がろうとします。


西:「どうしました?」


Aさん「子どもが待ってるかもしれないから、

    かえらんといけない」

   「ご飯作らないと」

   「お父さんが、、★〇□÷♯・・」

と少し焦っている様子。


西:(今日は子育て時代の時かあ・・

まあ、主婦忙しいから焦るよね)



また、とある日。いつものように個別音楽療法をしていた男性Cさん。


西:「次の曲は何にしますか?」


Cさん「・・今度にするよ。

    今日はお金持ってないから」


西:「お金?いらないですよ」


Cさん「そんな事ないべ。

    次来る時はちゃんとお酒頼むから」


西:(ここはスナックか 笑)



また、とある日。音楽療法中にフラッとやってきた男性Kさん。椅子に座り話し始めました。


Kさん「いやーたまには家から出てさ、こういう所来るの良いよね。家にずっといるとさ」


西:(居室のこと言ってるのかな?)


Kさん「仕事もさ、今僕にも部下がいるじゃない?あんまり叱りすぎてもね、良くないから。(中略)

僕はさ、家の事は奧さんに全部任せてるの。

ほんとにね、有難いよね」


西:(サラリーマン時代の頃かな・・・でも奧さんに感謝してて良い旦那さんやな 笑)


このように過去の時代の自分で[今]を生きているんですよね。

昨日は静かに過ごしていたけれども、今日は過去の自分の状態で不安になってしまう。そこから徘徊だったり多動になる。

施設で生活している認識が無いと混乱される方もいます。これらBPSD(認知症状)が落ち着くまでに時間がかかったり対応が難しい方もいて、音楽療法もしばしば中断、中止することもあります。


そういう時はなるべく自然に寄添い、時にはフロア一周一緒に回ることもあります。違う一面が見られることに西もたまに戸惑いますが、心の中でツッコミを入れながら面白いなあ、と感じて音楽療法の時間を楽しんでいます。


今日はここまで。













読んで頂きありがとうございました。

  音楽療法士の西です。 シャロームの外では梅の花が満開に咲いています。 春の訪れに少しワクワクしてくるのは私だけでしょうか(´▽`*) さて、これまで50回のブログを投稿してきましたが、このブログは閉鎖することになりました。読み続けてくださった方がいましたら、本当にうれしい限り...