2021年6月16日水曜日

認知症あるあるのお話。

 音楽療法士の西です。


ある特養現場でのお話。

認知症フロアでは約50名ほどのご利用者が生活しています。

認知症の種類も、症状も更には一人にフォーカスしても態度や様子は日によって様々です。音楽療法で関わるご利用者もそれぞれの個性が見られます。(実際のエピソードですが、方言等分からないので少し脚色しています)


とある日。いつものように個別音楽療法をしていた女性Aさん。急に


「そろそろ帰らんと」と、車椅子から立ち上がろうとします。


西:「どうしました?」


Aさん「子どもが待ってるかもしれないから、

    かえらんといけない」

   「ご飯作らないと」

   「お父さんが、、★〇□÷♯・・」

と少し焦っている様子。


西:(今日は子育て時代の時かあ・・

まあ、主婦忙しいから焦るよね)



また、とある日。いつものように個別音楽療法をしていた男性Cさん。


西:「次の曲は何にしますか?」


Cさん「・・今度にするよ。

    今日はお金持ってないから」


西:「お金?いらないですよ」


Cさん「そんな事ないべ。

    次来る時はちゃんとお酒頼むから」


西:(ここはスナックか 笑)



また、とある日。音楽療法中にフラッとやってきた男性Kさん。椅子に座り話し始めました。


Kさん「いやーたまには家から出てさ、こういう所来るの良いよね。家にずっといるとさ」


西:(居室のこと言ってるのかな?)


Kさん「仕事もさ、今僕にも部下がいるじゃない?あんまり叱りすぎてもね、良くないから。(中略)

僕はさ、家の事は奧さんに全部任せてるの。

ほんとにね、有難いよね」


西:(サラリーマン時代の頃かな・・・でも奧さんに感謝してて良い旦那さんやな 笑)


このように過去の時代の自分で[今]を生きているんですよね。

昨日は静かに過ごしていたけれども、今日は過去の自分の状態で不安になってしまう。そこから徘徊だったり多動になる。

施設で生活している認識が無いと混乱される方もいます。これらBPSD(認知症状)が落ち着くまでに時間がかかったり対応が難しい方もいて、音楽療法もしばしば中断、中止することもあります。


そういう時はなるべく自然に寄添い、時にはフロア一周一緒に回ることもあります。違う一面が見られることに西もたまに戸惑いますが、心の中でツッコミを入れながら面白いなあ、と感じて音楽療法の時間を楽しんでいます。


今日はここまで。













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