音楽療法士の西です。
日中も寒い日がまだ続いていますね。西は寒いのが苦手なので、常に靴下は二重に履いています。そんな寒い時に少しほっこりする、現場でのお話しです。
特養では認知症で耳の遠い方もいて、音楽療法やそれ以外でも難聴の方と関わっています。そこで実際にあったやりとりです。
西:Oさん、歌集です。どうぞ。今日は【たきび】をやりましょうか。
Oさん:ああーたきびか。昔、やったよ。
・・・・かきのたね、かきのたねの・・まがりかど、、
西:(垣根ね・・それおつまみにいいやつ(。-∀-) )
Oさん:たびきだ・・たき・・びだ・・おち・・ばたきー
西:(たきびね。しかも区切る所が独特~(。-∀-) )
とてもユニークな読み方をされるOさんですが、100歳超えていらっしゃいます。今だに簡単な漢字も含めてしっかり目で追って歌詞を読んでいます。集中力も発揮されて本当にすごいです。ただ、認知もあるのでこういうお茶目な間違いは多いのですが(笑)西は心の中でツッコミを入れるのが定番となりました。
また、とある日。音楽療法ではない場面にて。
西:「Bさんお部屋到着しました・・・って寒っ(;・∀・)何もついてないよ。
Bさん暖房入れましょう」
Bさん:「え?ばんどう??」
西:「いや、だんぼう入れますねって」
Bさん:「ああ・・・だんぼ。はいはい」
西:(一応伝わったのか?でもそのイントネーションはディズニーのやつ(笑))
・・ばんどうって。Bさんはいたって真面目に受け答えしてくれているに違いないのですが。会話の中での聞き間違いや受取り違いは高齢者現場あるあるだと思います。介護職員や相談員とご利用者との会話を目にすると、聞き間違いが楽しい笑いに包まれる時もあれば、時には会話がスムーズにいかない事に、もどかしさを感じて雰囲気がピリッとすることも。加齢に伴う難聴と認知症との兼ね合いの中で生活されているご利用者とのコミュニケーションは、援助者の受取次第で良くも悪くもなっていくもの。だから西はなるべく、ユニークと捉えながら関わるよう意識しています。そのほうが楽しいことの方が多いので。
ちなみに音楽療法でも難聴の方あるあるのほっこりエピソードがあります。
介護職員:「Iさん、先生(西の事)が2月に入りましたねって」
Iさん:「え?何?聞こえない・・(~_~;)」
介護職員:「だめだ、補聴器入れても聞えてないわ」
Iさんは補聴器を入れている方ですが、耳元で声かけしても高い確率で「聞こえない」と手を横に振ってなかなか言葉でのコミュニケーションが続かない一人です。
でも音楽療法が始まると・・・
Iさん:「ゆーきや、こんこ・・・」
西:(お、歌詞なくても周りに合わせて歌ってる)
西:「Iさん、歌ってみてどうでしたか?」
Iさん:「懐かしいです」
介護職員「そこは聞こえてるんだ(笑)」
西もこのやりとり、他のいくつかの現場で経験しています。精神状態によっても聞こえ方は変わるのかもしれないね、と現場の介護職員と話すこともあります。難聴と認知症とが複雑に絡んでいる中でも、楽しい音楽の時には難聴の方も集中力が高まって声掛けを受け取りやすく会話が続きやすい、のかもしれませんね。
どのエピソードもご利用者のユニークな一面です。これからも、現場での話しをupしていきます。
今日はここまで。
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