2021年12月2日木曜日

やり場のない気持ちを抱えている時こそ音楽療法。

 音楽療法士の西です。

認知症型デイサービスでの音楽療法が再開しました🎵西も久しぶりだったので少し緊張しましたが、介護職員も「おかえりー」と笑って迎えてくれました。

ここでは集団音楽療法から今年に入って個別音楽療法へ切り替えて実施しています。一つにコロナの感染対策がありますが、もう一つ個別で関わる大きな理由があります。それは一人一人の音楽での楽しみ方と気分の発散の仕方が全く異なる為、柔軟に個別に合わせて関わりをしていく為です。

現在、ある方とはボール活動中心で気分の発散を図ったり、ある方とはピアノと歌のみのセッションで、またある方とは太鼓活動で軽快なリズム活動をしています。認知症のレベルや服薬状況、朝のテンションと精神状態も毎週違う方もいます。その背景には、それぞれのご家庭での過ごし方や家族との関係性、介護・医療での方針も様々なご利用者が集まっているデイサービスだからです。

ご利用者はご家庭で感じている喜びや不安、緊張など様々な気分や行き場のない気持ちを抱えてデイサービスに来られます。その抱えている気持ちを音楽療法でどう共有し、必要に応じて発散したり意識を良い方へ向くのか、という心理面のケアの必要性を感じていました。そうすると、集団音楽療法での同じ楽器活動中に全く反応の異なる方が同じ方向性でその場を共有していくのは、厳しいと感じたのです。

個別音楽療法に変えてからセッション中、家での様子を細かく話してくれるようになったり、集団の時には聞かれなかった自分の本当の歌の好みや好きなテンポ感、興味関心の高い一曲の発見など、個別の関わりならでは良さが見られるようになりました。

この関わりが、またデイサービスへの利用継続に繋がるなら、これも音楽療法の大事な役割の一つだといえます。

デイサービスでの集団活動もコロナの状況に合わせて展開していけたらよいとは思うのですが、しばらくはこのまま、深い視点を持ちながら続けたいと思います。

今日はここまで。


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