2021年10月13日水曜日

耳の遠い方との音楽療法での関わり方 Vo.2

音楽療法士の西です。

耳の遠い方との音楽療法について第一回目ではカンペを使用し、視覚からのアプロ―チをしていく方法を紹介しました。
今回は第二回目です。楽器活動での触覚からのアプローチ方法をご紹介しましょう♪

➁色物の楽器やボールを入れた活動をプログラムに入れる。
耳の遠い方の中には歌や特に言葉の説明の時間が多いと、聞こえにくい分集中が低下しやすい傾向が見られます。途中から傾眠されてしまうこともあります。

そこで色のついた楽器、例えば鳴子やミュージックベル、レインボースティックなど簡単に握れて音が出る物を使用し合奏をします。カンペを使わずとも楽器を手渡し、目の前で音を出せば音楽療法士の真似をして楽器を鳴らしてくれる方が比較的多いです。もし、何をすればよいのかポカンとしていたり「鳴らすの?」と聞かれれば、またカンペやボードに「鳴らしてみましょう」「振りましょう」とその場で書いて指示を出します。
周囲が打ち始めれば集団心理が働き真似して取組み始める方もいます。

ボールを使った体操も同様です。ボールが手に触れると落とされる方もいますが、それはそれでボールへの意識が向き、しっかりとボールを持ってくれます。その次に上にポーンポーンと投げて一人キャッチボールをすると声掛けしなくても大抵すぐ真似してくれます。
そうして自然と音楽体操につなげると、細かい言葉の説明がなくとも音楽療法士を見ながら取り組んでもらえる確立が高いのです。

いかがでしたか?西は昔は耳の遠いご利用者の耳元で大きな声で活動の指示を逐一説明をしていました。これ、結構労力いるんですよね。時間の効率もあまり良くなかったりします。
でも現在は工夫次第で耳の遠い方も楽しめる方法を活用しながら、どの現場でも円滑に活動を進めたりコミュニケーションをして楽しい時間を作れています。

今日はここまで。

気温差の激しい時期です。西はどうやら寒暖差アレルギーがあるらしいです(´;ω;`)
皆様ご自愛ください。







2021年10月6日水曜日

耳の遠い方との音楽療法での関わり方

 音楽療法士の西です。

西は法人が運営している施設を曜日ごとに回って音楽療法を行っているのですが、どの現場にも必ず耳の遠い方がいらっしゃいます。年を重ねていくと体の機能が徐々に変わっていくことは自然なことで、難聴傾向になっていくのもまた然りなのです。

西が新人の頃は難聴の方とのコミュニケーションや音楽療法最中の関わりに本当に苦労しました。こちらの言いたいことや活動の指示がうまく伝わらずに相手を困らせてしまったり、 「もういいよ!(-_-メ)」と怒らせてしまったことも数知れず。

じゃあ、やっぱり耳が聞こえないから音楽活動はできないのか?というと、10年以上の経験を重ねてきた西からの答えはNO!です。

できます!耳が全く聞こえてなくても音楽活動はできます!

今回は普段から行っている難聴の方との音楽療法での工夫を紹介しましょう♪


①カンペを使う。
活動の指示や声掛けは視覚からでもできます。ある程度の文字を読めるレベルの方や集団の活動での使用がメインとなりますが、耳元で個別に伝えるよりカンペを出すことで指示を伝える効率性もあがりますし、意識を音楽療法士へ向かせることもできます。
指示する内容や声掛けでよく使うフレーズをいくつかに絞り、それを太文字で印刷しA3サイズのファイルに自作して使うのです。

とあるグループホームでは9名中3名の難聴の方が参加しています。補聴器を使用されている方もいますが、耳元でだいぶ大声でゆっくり話しても「聞こえない」と言われてしまうことが多いです。コミュニケーションを図ろうとしても「聞こえない」「分からない」と手を横に振って関わりがすぐに終わってしまいがちでした。そこで、3人隣で座って頂き、カンペを使い始めてから一人は読んだ後に頷いてくれるようになり、一人は声に出してカンペを読むようになりました。活動への参加意欲が格段と上がったと感じています。大声を出して指示出しができない今のコロナ禍にも役立つと思います。

二つ目はまた次回にご紹介します。
今日はここまで。







2021年10月1日金曜日

生演奏っていいね。

 音楽療法士の西です。

とあるデイサービスでの音楽療法でのお話。最近ご利用を始めたJさんは以前、歌の講師をされていました。フロアで流れているCDの曲はおおよそ知っていて、いつも「ふんふーん♬」と小さくハミングしています。音楽が好きなんだなーと西もいつも感じています。

そんなJさんとの個別音楽療法は、白い電子ピアノを使用して行います。

西:「今日もピアノ使いましょう!ヽ(^o^)丿」
Jさん:「わー良いねえ(*‘∀‘)」

と電子ピアノを見るとパッと明るい表情を見せてくれました。

この日は雨が降っていたので雨にまつわる選曲にしようと相談し、『有楽町で逢いましょう』『せんせい』など音楽療法士のピアノ演奏に合わせてJさんに歌ってもらいました。楽譜を見ながら集中してハミングをしてくれます。音程バッチリ、のびやかで優しい声です。さすが歌の先生。演奏ごとに「わー出来たね」とマスク越しで微笑んで拍手をしてくれます。

4曲ほど歌ってくれた後、Jさんが言いました。

    「生演奏っていいね」


・・いや、ほんとにもう西も同感です。CDは使わず、生演奏にこだわっている理由は音楽療法士とJさんとの呼吸の一体感を感じられ、その日その時にしか作れない音楽の楽しさがあるからだと思います。

フロアで流れているCDに合わせて座って静かにハミングしているJさんも、もちろん素敵ですが、音楽療法ではピアノの隣に来ると毎回座ろうとせず、立ったままで体を僅かに左右に揺らしながらビートを感じて主体的に歌います。ちょっとテンポがズレそうになっても音楽療法士で合わせたりJさんでも合わせてくれたりで結果的に「出来た」と思える一曲になるんです。これが生演奏の良さであり、音楽療法の良さです。

Jさんはデイサービスを利用されたと同時に精神薬を飲み始めたり、認知症状も強く見られる日もあったりで、日常生活の中では音楽療法の時のように穏やかな面だけではありません。それでも、週に一回、ピアノの前に来られると「あー懐かしいねえ」と純粋に音楽に楽しむ姿が毎回見られると、改めて音楽の力はすごいと思います。白い電子ピアノの存在もまたJさんにとっては大きいと思います。時に「これね、ピアノの音より少し高めで歌うんだよね」と、鍵盤を指して講師の顔ものぞかせます。西も歌のプロに刺激を受けながらセッションをさせてもらっています。

これからも生演奏の良さを感じつつ、音楽療法を続けていきます。

今日はここまで。


台風シーズン到来!(; ・`д・´)


読んで頂きありがとうございました。

  音楽療法士の西です。 シャロームの外では梅の花が満開に咲いています。 春の訪れに少しワクワクしてくるのは私だけでしょうか(´▽`*) さて、これまで50回のブログを投稿してきましたが、このブログは閉鎖することになりました。読み続けてくださった方がいましたら、本当にうれしい限り...